反省すべき大人たち

この春休みを利用して、イギリスの寮制中学の体験学習から返ってきた男の子がいた。二人とも小学六年生。 ロンドン近郊にある伝統的なとある学校で開催した、Unaccompanied Minors’ Study and Experience(親が引率しないちびっこのための海外滞在)に参加した。 

 

親たちは「この年齢ではまだ早い、でもよい経験になる?」と賛成反対五分五分の気持ちで参加させた。しかし、なにせ、小学六年生だ。成田空港の出国検査をぬけ階段を降りて出国手続きに向かうこの二人を見て、親たちは目に涙をにじませていた。 大丈夫だろうか? こんなに小さくて? イギリスまで行けるのだろうか? 行ってからどんな生活をするのだろうか? 栄養のあるものをちゃんと食べれるのか? は一人できれるのか?... 等と言った親たちの心配は尽きなかった。 二人の滞在中、母親は何度も何度お心配の電話をしてきた。しかし、この『まだ早い』という親たちの心配は危惧(きぐ)に終わった。  

二週間後。 この二人は再び成田空港に降り立った。 出国の出口から出てきた彼らに駆け寄る親たちに言った、「ああ、短かった。もっといたかった!」 この言葉は、「面白かった」ということを意味していた。こんなそっけない大人びた返答を親たちは予想していなかった。親たちは、日本について安心し、恥ずかしげに駆け寄ってくる、ひ弱なわが子を想像していたはず。ところが、親たちの心配をよそに、二人は一歩も二歩も成長したようだった。話でだけ聞いていた、あの「金太郎」や「桃太郎」になって帰国したのだった。

「かわいい子には旅させよ」この昔の人の言葉ほど含蓄のある言葉はない。少子化の時代、肝に銘ずべき言葉だろう。

滑走路に飛行機