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日本の小学校での英語の必修科目化という改革

2010年度から、日本の小学校で、英語が必修科目となる。これは、英語の4技能、すなわち「聞くこと」「話すこと」「読むこと」「書くこと」に、小学生が、十分、慣れることが当面の目標となる。

つまり、できる限り英語に触れる機会を与えることだ。

 

1. まず、「聞くこと」「話すこと」に慣れる。そして、自分のことについて簡単な語句を用いて伝えあうことができる。

- What food do you like?

​- I like pizza and sushi.


​次に、

2. 「聞くこと」「話すこと」の内容を深める。

- How did you enjoy last weekend?

​- I enjoyed eating sushi with my mother and father.

そして


3. 徐々に、文字を「読むこと」「書くこと」を加え、次のステップの中学校の学習へとつなげる。

- I went to Sapporo with my parents last month. And we enjoyed skiing at Niseko.

​- After skiing, we enjoyed dinner at a family restaurant. We ate pizza and sushi a lot.

 

英語は必修科目となるので、どのくらい理解したのか一人一人の学習評価がなされる。「聞く」「話す」「読む「書く」の4技能に加えて、「文法」と「語彙」の、合計6つの分野で。又、この段階の英語学習で大切なのは、生徒が作成した英語の内容が首尾一貫していること content coherenceで、内容が複雑になっていく中学の英語の学習への鍵となる。

英語の語彙や英語の文の丸暗記に終わることなく、効果的な授業をするには、生徒に発言する時間を十分に与え、待ってやる余裕が教師には必要となる。

 

この小学校での英語学習の必修化は、大学入試のセンター試験から英語が外され、その代り、外部の業者テストのスコアが受験生の英語評価として認定されるという大学入試改革に呼応するものだった。しかし、誰もが知っている通り、この英語の科目の大学入試改革がとん挫してしまった。 「共通語 Common languageとしての英語」への改革そのものがとん挫してしまったわけではないので、希望をつないでいきたい。この希望の星が「小学校での英語の必修化」と考えたい。

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